どれだけ気を付けていても、時には予期せぬ災難が降りかかってくることがあります。そんな話をします。


・ご飯の約束をしていた日。待ち合わせ場所に現れた彼氏が、開口一番に「見て」と唇をぺろっとめくってきました。よく見ると歯の形にそって唇の裏側が切れて赤く腫れています。何でもその前夜に大学時代の仲間と集まって飲んでおり、その中の数名で連れ添ってコンビニに行ったところ見ず知らずの人間の喧嘩に巻き込まれたらしいのです。

少し詳しく書くと、彼の友達Aが喧嘩真っ最中のそいつらに「何や!」と因縁を付けられる→A、「何や!」を「ねえ!」と聞き間違い「はい?」と返事をする→絡まれる→友達B、Aが絡まれているのを発見、助けに向かう→絡まれる→彼氏たち、Bが絡まれているのを発見、助けに向かう→絡まれる(殴られる)

皆が皆を守ろうとして仲良く順番に巻きこまれています。そもそも喧嘩真っ最中の人間が「ねえ!」と赤の他人に話しかけないと思うし、聞き間違いをした子はとんだ早とちり野郎だと思いました。それにしても少し怪我した位でよかった。うっかり刺されちゃったりしなくて。


・カラオケに行こうと駅前で友達と待ち合わせをしていると一人のお爺さんがススス、と近づいてきて「どこ行くの?」と声をかけてきました。


私「友達と待ち合わせです」
爺「一時間どうや?行かへんか?」
私「?? 何処にですか?」
爺「ホテル!」
私「(なん、だと……!!)」


私のストライクゾーンは完全に外れていました。年上すぎます。


私「いやっ無理です無理です無理です(後ずさり)」
爺「なんでやーうまいでー(前進)」
私「彼氏もいるし友達も来るし(そもそも誰ですかあなた)」
爺「今おらんやんーええやない!」


こんな調子でその後も自分のテクニックのすごさやご子息さんの自慢など、いかに自分が現役かを訴えてこられました(知らん)。「いや、ほんと無理です」って後ずさりしながら逃げるのに「ええやんええやん」とついてくるのだもの(良くない)。その時は驚いただけだったけど、こうやって書き出してみると割りとガチで気持ち悪いですね。



さて、上記二つの話からの教訓は「知らない人に声をかけられても安易に答えてはならない」ということです。身に何が起きるか分かりません。君子は危うきに近寄らないものなのです。あと学ぶ点は「聞き間違いが命取りになることがある」「(推定)70歳の男性は現役」ということ。汎用性はあんまないです。