村上龍 「コインロッカー・ベイビーズ(上)(下)」★★★☆☆

村上春樹 「風の歌を聴け」★★★☆☆


龍さんの方はとってもビビッドでした。何て言うかすごく男性的で切断的な感じ。同著者の作品は「69」と「空港にて」しか読んだことがなかったので、少しイメージが変わりました。破壊衝動とか愛情とか体液とか。読みだしてから読み終えるまでに間隔があいてしまったのでもう一巡くらい読み直してもいいかもしれないなあ。

春樹さんのほうは何だかとっても荒削りというか「いつもの感じと違うなー」と思っていたらデビュー作だったようで、なるほど納得しました。そんなに数をこなしたわけじゃないけれど、どの作品を読んでも主人公の内観の目が好きだと感じます。情熱的な時も悲観的な時も淡々としてて、すごく正確に自身の心をつかんでいるようなのにどこか他人事ぽくて良い。誰もが「醒めている(賢い)自分」という側面を自覚していると思うのだけれど、それを主人公に投影して見つけられるからかしら、と思って苦笑い。