薄明るい部屋の中でキーボードを叩いている。
パソコンの発する電子的な音と、いとしい人の寝息と、ボタンを押すカチャカチャという音。
静か、である。

電車がガタゴトと通り過ぎた。ふと視線と意識を窓へずらす。外では今日も時間が流れている。相も変わらず。
突かれたように思考が動き出す。




そうなのだ。
結局のところ、私は私にしかなれないのだ。
人を羨んでも、妬んでも、朝目が覚めれば私は私としてしか現実を生きていけないのだ。
非生産的な生臭い感情は、丸めてポイ、だ。
どんな文学的苦悩も時間の波には逆らえないのだから。






うずたかく積み重なった洗濯物を見つめながら今日もおわる。
窓は北向き、陽は入らない。